コンビニで働いてたころ、夜中店へ向かう途中、車で田んぼに落下したことがありました。
その日は、社員から電話で指示され、急きょ初めての店へ、夜勤で行くことになったのです。
あいにくの雨、それもかなり強くふっていて、知らない田舎道を走りながら、非常に不安な感じでおりました。
当時の車はナビなしで、案の定、道に迷ってしまい、遅刻してはマズイので、急いでUターンしようと、ぐるりと道路を旋回しました。
ところが、闇夜と大雨のため、視界は不鮮明、いきなり「ガツン」と音がした瞬間、車は前のめりになって、動かなくなりました。車内の赤いランプがつきまくり、何が起きたのか理解できず、頭は真っ白になりました。
それから恐る恐る、ドアを開けてみると、前方は一面田んぼで、前輪は水の中、車体は斜めで、後輪は宙に浮いていました。
運良く道路脇の、コンクリートの仕切りの、途中で引っかかっていたのでした。
ガードレールが無い場所で、もしそのまま落下していたら、車は破損、油が漏れたりとか、ただでは済まなかったでしょう。
やむを得ず観念して、警察、ロードサービス、社員へ連絡しました。
警官から、場所を訊かれたのですが、当然見当もつかず、電信柱の番号を伝えました。自分の代わりの夜勤は、何とか手配がついたので、とりあえず、気持ちは落ち着きました。
そして、この災難の過程で、一番感銘したのが、車内で待機している間、深夜で、しかも悪天候なのに、通りがかる車が、ことごとく停車して、声をかけてくれたことでした。
まあ、見た目が宙ぶらりんの、悲惨な有様だったので、中の人は無事なのかと、自然な反応といえば、全くそうですが、わざわざ下車して、何人にも大丈夫ですかと、優しく気づかっていただいて、自分は大いに、心動かされました。
日本という国、日本人には、やはり温かい、思いやりの精神があるんだなあと、つくづく実感した一夜でした。
(車の損傷は、下をこすった程度で、田んぼはちょうど、何も無い時期で、翌日謝罪だけで済みました)
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